移民的日々@英国

やさしく・おだやかでありたいと思いつつ・・・の四方山を綴っています


最近本当に自分の中から日本語が失われつつあるのを感じる。
きっと日本にいて生活していても、加齢によって少しずつ
言葉が出てこないことがあったり、漢字を忘れたりするの
だろうと思うけれど、今の私に起こっていることは勿論
そんなものの比ではない。

毎日英語ばかりだから日本語が消えていくんでしょう、って
いうのは全く私の場合は当てはまらない。
何しろ子供達とは、日本語担当の私は日本語のみで会話するし、
一日に言葉を交わす全体量に対してこの子供達との日本語会話が
一番長い時間を占めているのだから。

逆に言えばこの現状を反映して、英語についてもどんどん
頭から抜け落ちていっている。哀しいことに。
そもそもが、へへへん、程度の英語力が低下していくのだから
もう情けないことこの上ない。

特に日本語については、書き言葉が出てこなくなった。
別にこの長い間の不更新を言い分けする訳ではなく、文章に
しようとすると言葉の使い方が何となく微妙にずれてしまう
ことが良く起こってしまうのだ。いやはや。

そんなことで、ちょっと危機感でもあり、これからまた
なるべくできる範囲でここも更新していこうと思っている。
どれだけ老化防止に役立つのかはわからないが、やらないよりは
少しでも、と思って。



治療はまだ全部は終わっていませんが、化学療法という
“薬と言う名の強力な毒を体に入れて癌細胞を殺す”治療を
経験してみて、痛切に感じたこと。
それは、今すぐにでも一人一人がこの地球に有害なものを
投じるのを止めなくては、ということ。
どんな方法でも、どんなに微力でも、やらなくてはならない。

話が突然飛躍しているように思うかもしれないけれど、
そうではありません。
生き物としての自分の体に、化合物となった毒を入れることが
どんなに恐ろしいことか。そこから引き起こされる、副作用と
言う名の諸症状は、例えば自然に出てきた熱とは明らかに異なる
ものでした。それは体がよ〜くわかります。不自然な容赦ない
不快さ、苦しさ。

自分が苦しかった時、同じ苦しみを感じているだろう地球の痛みを
まじまじと感じました。不思議かもしれないけれど、感応した
のだと思います。同じ種類の苦しみを、自分の体内に持つものとして。
人は直接自分が感じないという理由だけで、気付かないでいる訳には
いきません。さもなくば、いつかこの地球が壊れてしまうのはあまり
にも明らかです。




ドクター曰く、通常化学療法6週間後には治療の影響から
回復するとか。
確かに5週目を過ぎた辺りから、回復してきている、と自覚
できるようになりました。そして6週目を過ぎた頃、髪の毛が
生え始めました。いらぬ期待はしない方が良い、と気持ちを
抑えつつ鏡を見ると、やっぱり少しずつ生え出している。

そして今7週目を過ぎて、明らかな脱毛個所というのは
どこにも見当たらない。う、嬉しい。

⇒続きを読む

ずっと更新しないままになっていたこのブログ。その間に色々なことが身辺に起こって、思うことも沢山あるのですが、なかなか“英国生活について”というベースに沿わないような部分もあり手付かずになっていました。

子育てに関わることは別に書いているので、それ以外となると、最近感じていることは必ずしもこのブログ開始当時の心づもりとぴったりしないことも多いのも事実です。タイトルを変えるとかカテゴリー分けを改めるとか、そのうちどうしたら良いか見えてくることもあると思いますが、とりあえずこのまま続けてみようと思っています。
今だ病気治療中のこともあり少しずつの更新になると思いますが、お付き合いくだされば有り難いと思っています。

みらさんのアンモナイトで、「海辺のカフカ」(村上春樹著)翻訳版の
写真を見て、随分前から書きたいなぁと思っていたことを思い出した。

実は一度2月下旬に書き始めていたものがあるので、まずはそこから。

    ◇◇◇    ◇◇◇    ◇◇◇    ◇◇◇

私は村上春樹の作品が好きなのだが、彼の作品はここ英国でも
人気がある。渡英当初、そんな海外での評判について知らなかった
私は、彼の作品が大きな書店で平積みされているのを見て驚いた
のを覚えている。

今年1月に「海辺のカフカ」の翻訳版が発売となった。
「Kafka on the Shore」、ちなみに現在(20/02/2005)の売れ行きは
amazon uk 97位
Foyles(*1) 3位
Waterstones(*2)41位以下
  (*1)ロンドンTottenham Court Road駅近くの書店
    その在庫(取り扱い)書籍点数の多さ(とアバウトな
    整理のされ方)で有名
(*2)全国に多数の店舗を展開している大型チェーン。
    2月初旬に見た際は、20位までに入っていた記憶がある。     
今再確認すると、40位までのリストには見当たらなかった。

最近は直接足を運ぶことができなくなっているが、おそらく
大きめの支店では未だに平積みされているか、店内ランクでは
売上の上位にいたりすると思う。

    ◇◇◇    ◇◇◇    ◇◇◇    ◇◇◇

それで、割と最近このWaterstonesの最寄店に行った時には、書店が
お薦めのように話題本等をピックアップいて並べている入口脇の棚に
今でも陳列されていた。(単に頻繁に入れ替えていないだけかもしれないが・・。)

アメリカを初めとして、海外各国でカルト的人気があるらしい。
特に「ねじまき鳥クロニクル」は、書評筋からの評価も高かったようで、
一気に注目度が増したとか。

このKafkaは、書評的には若干ばらつきがあるらしいが、何しろ‘カルト
的人気’なので、出れば必ず読むという人々に支えられているに違いない。
ちなみに、私と出会ってから村上春樹を知った夫は、今では翻訳されて
いるものは全部読んでいるファンとなっている。

ご本人もそこここで書いているようだけど、日本では人前に出てくる
ようなことをほとんどしないが、海外では比較的頑張って種々のプロ
モーション活動を行っているとか。
その中には、本にサインする、というものも含まれている。

日本で長年読みつづけてきたファンとして、村上春樹のサイン本が存在
するってこと自体が驚きだった。何度か朗読会のようなものをやって
いたりもするので、日本にだって彼のサイン本はあるのだろうが、そ
うそう目の当たりにする機会はないように思う。(私が知らないだけ?)

ところが、例えばここ英国では(主にロンドンエリアだと思うが)、
彼の大作系の翻訳ものが出た際にはサイン本が出回る。全くこの業界
の事情は知らないので、果たしてサイン会を行っているのか、あらか
じめサイン分を用意して流通しているのかはわからない。

今回のKafkaも、私の知る限り、通常のハードカヴァー・1000部限定
特別仕様のサイン付ハードカヴァー・100部限定の特別仕様ハードカヴァー、
の3通りが出ている。

1000部限定本は、書店のWaterstonesの限定品だ。ここはチェーンと
して販売する量が多いだろうから、きっと出版社又はエージェントの
重点的販促活動対象なのに違いない。
多分売れ行きの良い大都市部のWaterstonesに行けば、きっと書棚に
通常版とサイン版が並べて売られているのだと思う。
(私が行ける支店には割り当てがない様子。まあ、地方だからね。)

そう言えば、このサイン本は一応アマゾンUKでも扱い対象品のよう
だ。が、私がチェックした時には、当然のように在庫はなし。でも
既に何冊もnew&usedのコーナーで売られていた。元々定価が£30が、
既に£70〜£80程度の値になっていた。

そう、サイン本は本来の定価(£12/amazon価格£7.79)より値が高い。
確かにサイン以外にも、装丁が特別な材質やケースをつけていたり等の
付加価値があるので、定価が違うのは当然かもしれない。
でも£30の特別版を作ろうと決める辺り、かなりの人気なんだなぁと
思わされる。しかもそれは即座に値を上げて、再度マーケットに登場
しているのだから、大したものだと感心する。

100部限定の方は、何しろ装丁が皮革。って、見たこともなければ、
一体どういう所で売られているのかも知らないのだけれど。
これ、new&usedマーケット価格だと、始まりが何と£250!。




で、ですねぇ。
何でこんなことちょっと熱心にチェックしてみたかと言うと。
実は私、持っているんですのよ。サイン本。
「ノルウェーの森」の翻訳出版のタイミングで作られた、完全なる
特別仕様バージョン(500部限定)。
これもやはりWaterstones限定のものなのだけれど、サイズが日本の
文庫を模して作られていて、特別製のメタルボックスに収まっていま
す。さらにそれが厚手の外箱に入れられていて、サイン自体はサイン
プレートにされたものが本と共にボックスに入っています。

これを見つけたのは夫で、「サイン本が売られているけど、欲しい?」
と聞かれた私は、

・普通の本の裏表紙にサインされているだけだと思っていた
・なのに、法外に値段が高い(いくらだったか失念・・・)
・「ノルウェーの森」は、もうとうの昔に読んだので今更いらない

という理由で、あまり関心もなさげに、「いらない」と答えた。

が、結局時はなにしろ一応新婚時代だったこともあって(笑)か、
2ヶ月後の私の誕生日のプレゼント用にと、夫が密かに購入して
くれたという経緯があります。

こうして私の手元にあるこのサイン本。
すすっとググるとですね、なんと値段が£500を超えている・・・

って、なんだかすっかり下世話なトーンのお話になってしまいましたが。
いずれにしても、日本のしかも自分が好きな作家が世界のあちこちで
こんなにも受け入れられている、というのを思うとやっぱり嬉しい。
そして、その作品をオリジナルの日本語で堪能できると言うのは、
これ以上ない幸せだ、としみじみ思う。

波

  • Author:波
  • 大ブリテン島の片隅にて、
    日々思うあれやこれや。

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